転生したのに0レベル
〜チートがもらえなかったので、のんびり暮らします〜


195 魔石に魔法陣を刻んでみよう!

昨日書き上げた分をアップし忘れていました。
ですから、まだ読まれていない方は194話から読んでください。



「とりあえず一つの魔法陣は完成したことだし、今日のお勉強はここまでにしましょう」

「え〜、まだお勉強する時間、あるよ」

 書きあがったライトの魔法陣の説明を一通りすると、バーリマンさんはこれで今日は終わりねって言ったんだ。

 でもまだ僕が帰るまでには時間があるんだよね。だからもっとお勉強をしたいって言ったんだけど、ダメだって。

「一度に多くの事を覚えようとすると必ずどこかがおろそかになるものよ。だからね、ルディーン君。私は君がしっかりと魔法陣の基礎が身に付けるでは、これくらいのペースで進めるつもりなの」

 僕はもっとお勉強して早く魔法陣を自分で作れるようになりたいって思ってるんだけど、そんな風に急いでお勉強すると後でもっと苦労するようになるんだって。

 だから今はゆっくりやっていきましょうだってさ。

「そっか。でも、お勉強がこれで終わりなら、後は何をするの?」

「そうねぇ。折角魔法陣を書いたことだし、魔石に刻んでみる?」

「えっ、いいの!?」

 お勉強はこれでおしまいだけど、代わりにバーリマンさんが書いたばっかりの魔法陣を魔石に刻んでライトの魔道具を作る事になったんだ。


「魔法陣の刻み方だけど、ルディーン君はもう知っているわね」

「なんで? 僕、魔法陣を見るのは今日が初めてだし、魔石に刻んだことなんか無いよ」

 用意してあった魔石をテーブルの上において、さぁこれから刻むぞってところで、バーリマンさんがこんな事を言い出したんだよね。

 だから僕、そんなの知らないよって言ったんだけど、そしたらちょっと困った顔をされちゃったんだ。

「ふむ。ギルマスよ、ルディーン君はこの魔法陣と前に自分で刻んだ魔法陣が、まったく別のものと思っているのではないかな?」

「どうやらそのようですわね。ルディーン君、あちらの方がはるかに複雑だったから同じ物だとは思えないかもしれないけど、この魔法陣も前にあなたが魔石に刻んだジャンプの魔法陣も基本は同じ物なのよ」

「そうなの?」

「ええ。ただあちらは神様が構築された物だからなのか、私たちが使っている魔法陣とはまるで違う記号が使われているようですけどね」

 バーリマンさんにそう言われてちょっとびっくりしたけど、そう言えばどっちも魔法陣だし魔石に刻んで使うってのもおんなじだっけ。

 ならやり方もおんなじでいいって事だよね?

「そっか。なら解るよ」

「宜しい。では”ルディーン君のやり方”で刻んで見せてくれる?」

「うん!」

 何となくバーリマンさんの言い方がおかしかったのが気になるけど、取り合えず僕は前にジャンプの魔法陣を魔石に刻んだ時とおんなじ方法でやってみる事にしたんだ。

 そしたらあっさりと成功。ジャンプの時と同じように、中に魔法陣が浮かんでる魔石が出来上がった。

「できたよ」

「できるとは思ってたけど、こんなにあっさりと」

「うむ。と言う事はジャンプの魔法陣が特殊だと言う訳ではなく、やはりルディーン君の魔力操作はかなりの腕前と言う事なのじゃろうな」

 ところがそれを見たバーリマンさんとロルフさんが、なんでか感心しはじめちゃったんだよね。

 だからどうしたのって聞いたら、この方法ってホントだったら魔法陣を刻むのにかなり慣れた人じゃないとできないんだよって言われちゃったんだ。

「じゃあもしかしたら失敗するかもって思ってたの?」

「いいえ。前にも刻む所を見せてもらっていたから成功するとは思っていたのよ。ただ、もしかしたらジャンプの魔法陣が特殊な物だったから成功しただけって可能性もあるでしょ?」

「うむ。じゃからのぉ、それを確かめる為に、ルディーン君には何も話さずやってもらったのじゃ。先に説明をすると変に力が入って失敗してしまうかも知れぬからとな」

 そっか。もしやる前に失敗しちゃうかもって思ってたら本当に失敗するかも知れないもん。

 でも、ジャンプの時とおんなじ事をやるんだよって言われたから、僕はホントにそのままやれたんだよね。

 それで成功したんだから、多分これでよかったんだと思う。

「でもさ、もし失敗したらどうするつもりだったの?」

「その時はジャンプの魔法陣が特殊だったのだろうってきちんと説明して、初心者がやる方法で再挑戦してもらうつもりだったわよ」

「うむ。本来ならそれが普通じゃからな」

 因みに魔法陣を刻む練習を始める時は普通、魔力を伝えやすくなるお薬や魔道具を使うんだって。

 それに魔法陣の方もこんな普通のインクで書くんじゃなく、魔力が伝わりやすい特別な物を使うことが多いんだってさ。

「薬に関してはまだ幼いルディーン君に使ったらどのような副作用が起こるか解らないもの、正直成功してくれてホッとしてるのよ」

「うむ。失敗した場合は魔道具だけで再挑戦してもらうつもりじゃったが、それにも失敗してしまった時はどうしようかと、正直ひやひやじゃったわい」

 この魔法陣を刻む作業で挫折しちゃう人、結構いるんだって。

 書く方はいっぱいお勉強したら誰でも上手になるだろうけど、この刻む作業ってのは魔法陣の形をした魔力を魔石に注ぎこむって言う行為だから、できない人はいくら練習してもできない事があるからなんだよって、ロルフさんたちは僕に教えてくれたんだ。

「そっか。ちゃんと刻めないと、いっぱいお勉強しても魔法陣を使った魔道具が作れなかったんだね。よかった、ちゃんとできて」

「うむ。じゃがまぁルディーン君の場合は、お姉さんに指導できるほど魔力操作がうまいと言う話じゃからのぉ。例え最初に失敗したとしても、いつかはできるようになると確信はしておったんじゃぞ」

「ええ。形は違えど、他人の魔力を動かすのも魔法陣の形をした魔力を魔石に注ぎこむのも魔力操作には変わりはありませんからね」

 二人とも、お薬を使わなきゃいけなくなったり、僕が失敗して変な苦手意識を持っちゃわないかって事は心配してたけど、できるようにならないなんてちっとも思ってなかったんだってさ。

「じゃが、実際に刻まれた魔石を前にすると、やはり感慨深い物があるのぉ」

「ええ。私も何の補助もなく魔石に魔法陣を刻めるようになるまでには少々時間が掛かりましたもの。その時間をかけなくてもルディーン君が魔道具作成までできると解って、とても嬉しいですわ」

 そう言いながら二人してニコニコしながら僕の刻んだ魔石を眺めてるんだもん。

 それを見てとっても嬉しくなっちゃった僕は、

「わぁ〜い!」

 何度も飛び跳ねながら、両手をあげていっぱい喜んだんだ。


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